宝石のような種子
ローマの大プリニウスは、ザクロをカルタゴのリンゴ(malum punicum)と呼んでいました。
このことから、ローマへはカルタゴ(アフリカ北部、現在のチュニス近くにあった古代都市国家。B.C.9世紀中ごろの建国ですが、B.C.146年、ポエニ戦争の最終戦でローマ軍に滅ぼされた)を通して伝わったものらしいことがわかります。
しかし、大プリニウスの使ったカルタゴにちなんだ名も忘れられ、「宝石のような種子」または「粒(grains)」に関連した名に変わっています。
スペインの「グラナダ」は、ザクロが多く実るということからつけられた名です。
リンネだけがカルタゴに敬意を表して、属名にしています。
薬としてのザクロの効用も、今では忘れられています。
フィレンツェのジョバンニ・メディア(1467~1498年)と結婚したカテリーナ・スフォランッァの料理の本に、次のことが記されています。
「イラクサ、セージ、ヘンルーダ、オトギリソウの根と、ザクロの果皮を、1.5リットルのワインで3分の1の量になるまで煮つめる。
この液で歯をみがくとよい」。
これはザクロの収敏作用、セージの漂白作用を利用して作った歯みがき水です。