セイヨウナシ
セイヨウナシの起源をたどろうとすると、いろいろな問題にぶつかります。
ヨーロッパの中央部から西アジアにかけて自生しているナシの木(Pyrus communis)が、現在のセイヨウナシの祖先型の一つであるということは確かです。
しかし、何世紀にもわたって他種およびほかの野生種との交配種も数多くなり、今ではこの系統を正確にたどることは不可能でしょう。
ギリシア人はセイヨウナシについては、ほとんど知らないといっていいです。
ギリシアのような風の強い、不毛の、石だらけの土地には、セイヨウナシの栽培は向いていませんでした。
いっぽう、ローマの人々は非常に多くのナシを栽培し、つぎ木の仕方も、果実からジュースやジャムを作ることも知っていました。
ローマの著述家カトーは、5~6種を記しており、大プリニウスも30種以上を数えあげています。
また、6世紀には、バレリオ・コルドによって、ドイツ中央部だけで栽培されている品種として50種もリストアップしています。
セイヨウナシもリンゴと同じく、今日では数え切れないほどの栽培品種があり、リンゴが生育できない土地にも適応できるという利点もあります。
