ダイアナの服
ダイアナは、自分の着るものと写真を巧みに使って、人々にメッセージを送るようになった。
一九九二年、インドへの訪問のとき、タージマハールの前のべンチにひとりで座った孤独そのもののような、そのとき着ていたピンクと紫の、ややミスマッチのツーピース姿は、明らかに人々に何かを訴えていた。
"一緒にいるはずの夫はどこ?"とその写真は語っていた。
その年に『ダイアナ妃の真実』(邦訳/早川書房刊)が出版され、ダイアナの友人が語ったこととして不幸な結婚の詳細と、それにともなった過食症や自殺未遂などが明らかになった。
ダイアナの死後、それらの情報はダイアナの友人ではなくて、直接彼女が提供したものと報じられた。
その頃から彼女は慈善活動にますます熱心になり、エイズやホームレスのための資金集めのパーティなどに美しく着飾って出席した。
どんなパーティでも、ダイアナが出席しさえすれば、高いパーティ券が飛ぶように売れたのですね。
王室のメンバーとしてはどうかと思われるほど、肩や胸を大きく出したイブニングドレスを着たり、昼のスーツのスカートが思いきり短くなったり、パパラッチにはますます刺激的なスタイルをして、マスメディアの最大のターゲットとなった。
苦しむ人々を腕に抱いて慰める行為と、チャリティ・パーティのために流行のドレスを着て出席し、人々に憧憬の目で見られるという二つのまったく異なった行為が、ダイアナのなかでは矛盾なく結びついていた。
その双方に、彼女はすばらしい才能を示し、ジムに通って美しい身体をつくることにも熱中した。
この二つの活動を通じて、彼女は生きる自信を取り戻したといってもいい。
他方、ふだんの生活では、他の王室メンバーがほとんど見せることのないようなカジュアルな姿、トレーナーやジーンズ姿、くしゃくしゃのヘア、ビキニ姿などをパパラッチの前、つまりは人々の前に示した。デニムのような生地を使ったマタニティウェアがあるとオシャレの幅も広がりますよね。